同じ出稼ぎの身で心が痛みます。「外国人技能実習生からの搾取を止めよう!。」と大手メディアには、伝えて欲しかった。
「技能実習制度を廃止 → 新制度への移行」を打ち出した日本政府の有識者会議は、令和5年4月28日、その中間報告をまとめました。
1993年に創設された技能実習制度は、国際貢献として途上国の外国人を受け入れ、技能を移転することを目的とした大儀名分はあったが、制度設計の問題から、かねて人権侵害や労働関係法違反の温床となっているとの指摘が国内外からなされています。
この制度、もう少し平たく言うと、技能移転を大前提にしているが、人手不足の労働力の穴埋めとして運用されているのが実態で、「外国人の育成による国際貢献」という建前は、育成のためには、実習生は1つの受け入れ先で長く働くことが望ましいという理屈で、外国人実習生が日本で実習することが可能な最長5年の間、原則として転職(転籍)を認めないという厳しい縛りがあります。それ故、労使バランスが全く成り立たない超欠陥システムで、現代の奴隷制度と揶揄させる所以となっています。
制度見直しにあたって、それぞれの立場のご意見をまとめてみました
① <有識者会議委員さんからのご意見>
1)「技能実習制度は国際貢献に大きな役割を果たしている」 ✖
この委員さん、全く、現実の問題をわかってないのか?わかちゃいるけど、わからないふりしているのか?、それとも、わかりたくないのか?メンバー資格、はく奪級に値する。
2)「中小企業にとって受け入れは必須だ」 △
それはわかるけど、外国人労働者が納得できる労働環境を整えることに知恵を絞ってほしいです。
3)「目的と実態のかい離は明らかで、人権侵害につながる構造的な要因だ」 ◎
4)「外国人労働力を安く使うという考えでは人材獲得の国際競争に勝てない」 ◎
5)「労働力として正面から認め、長く日本で生活者として暮らせる仕組みを考えるべき」 ◎
6)「実態に合わせて廃止した上で、国内産業の人材確保の制度として再出発すべき」 ◎
この◎4つ、真っ当なご意見で、是非とも改善を促す原動力となってほしいです。
② <技能実習生の5割以上を占めるベトナムからの声>
- 来月から日本のパン製造の会社で技能実習生として働く予定の24歳の女性は、「小さいころから日本が大好きでした。私の夢をかなえるいい機会であり、私が働きながら学ぶための環境を整えてくれることを願っています。」
- 22歳の男性は「日本で経験を積んでベトナムに戻ってきて、ベトナムを発展させたいです。新しい制度になり、日本で働くときに安心できるようになることを願っています。」
- 送り出し機関は、「現在の制度は働く人たちにとって不利で、給与は実習生の労働に見合ったものではありません。期間も仕事に慣れてきたところで終わってしまうので、かなり短いと思います」と述べ、現在の制度の課題を指摘しています。
③ <実習生を受け入れる企業の声>
新しい制度は、「人材の確保」が目的として掲げられることで、労働者としての受け入れがようやく可能になり、制度と現実との矛盾がなくなると肯定的に捉えています。
一方、実習先を変更する「転籍」の制限の緩和については、懸念もあるといいます。会社では、実習生に日本人と同じ水準の給料を支払っていて、受け入れにあたっては渡航に関する費用や入国後の日本語の講習料なども負担しています。
日本人を雇う場合より費用がかかることもありますが、人手不足の中、実習生に頼らざるを得ないのが現状で、もし、すぐに仕事を辞めて給料の高い都市部の企業などに転籍するようなことになれば、立ちゆかなくなるといいます。
「日本人の新卒と比べて外国人の方が費用負担はとても大きく、すぐに転籍されるとその費用に見合わず、厳しい。日本人と同様に外国人の人権を守るのは当然だが、地方の小規模事業者の実情を踏まえて、今後の議論を進めていってほしい」と話していました。
④ <技能実習生を支援する団体の意見>
外国人技能実習制度をめぐっては長時間労働や賃金の未払いなどのトラブルのほか、職場での暴力といった人権侵害の訴えもあとを絶ちません。この団体にはことしに入ってからも300件を超える相談が寄せられているということです。
団体ではトラブルがあとを絶たないのは、継続的な技能の習得を理由に「転籍」と呼ばれる実習先の変更が原則、認められていないことや、企業に実習生を仲介しトラブルが起きた場合に対応にあたる「監理団体」の支援が十分でないことがあると、問題提示しています。
⑤ <外国人の労働問題の専門家からの意見>
「コロナ禍から回復し世界中で人手不足が明確になってきている中で、円安などの影響もあり、外国人にとって日本は必ずしも魅力的な国とは言えないのが現実だ。外国人を安く使えるというこれまでの認識から決別し、外国人が安心して日本で活躍できる制度を作っていくべきだ」と話しています。
⑥ <爺様の独り言>
それぞれの立場のご意見で、否定することはできないと思っています。でもね。1つだけ双方の言い分が一致しないのですよ。
使用者側の言い分:「日本人の新卒と比べて外国人の方が費用負担はとても大きく、すぐに転籍されるとその費用に見合わず、厳しい。」
労働者側の言い分:「給与は実習生の労働に見合ったものではありません。」
これって、某公共放送局さんやら、大手新聞さんのメス入らないのですかね?
「使用者が負担する費用が、労働者に真っ当な分だけ辿り着いていない」という、
搾取システムの是正なくしては、いくら綺麗ごと並べても本当の解決にならないと思います。
これから夢と希望を抱いて日本で実習される方々が、母国に戻り、日本での実習経験が活かせるような制度見直しを強く望みます。