海外赴任の準備あれこれ

海外赴任準備編 ② <これからベトナム赴任の方、必見。>

<1> VISAと労働許可書

(1)渡航前申請取得と、(2)現地赴任後に申請する手続きがありますので、順を追って説明します。

(1)渡航前申請

①パスポート(PASSPORT): 説明不要ですが念の為。海外渡航に不可欠ですが、有効期限をご確認ください。入国先によって、制限はいろいろありますが、ベトナムの場合、入国日時点で、入国VISA無し、且つパスポートの有効期限が6ヶ月未満の場合は入国できませんので、ご注意を。パスポートの有効期限が、1年未満の場合、更新手続きから始めて下さい。

②VISA: パスポートの有効期限1年以上の場合は、次にベトナム入国VISAを取得します。日本人の場合、観光等の目的、且つ滞在15日以内の場合はVISAは不要ですが、ビジネス、現地赴任を目的でのベトナム渡航には、VISAの取得が必要となります。VISAの取得方法は、①渡航前に在日本ベトナム大使館へ申請する場合と、②現地ベトナムの空港に到着後、アライバルビザを取得する方法がありますが、いずれの方法もVISAの申請には、現地赴任先からの招聘状(=Invitation Letter)が必要になります。通常は、少なくとも3ヶ月、又は6ヶ月のビジネスビザ・マルチエントリーを取得することになります。VISA取得方法の詳細は、こちらをご確認ください(只今、準備中)。

③犯罪経歴証明書申請手続き: 赴任後、労働許可書(Work Permit)を申請する際に必要になる書類です。本人以外の代理申請はできません。住民登録のある住所を管轄する警察本部に、ご自分で赴き、申請手続きします。

申請には、次の3つの書類が必要になります。詳細は、各都道県警察本部のHPをご確認ください。

  1. 証明書の発給を必要としている事実が確認できる書類(赴任辞令、現地企業の採用通知等)
  2. パスポート
  3. 公的機関が発行し、現住所が確認できる書類
    〔例〕
    • 住民票(発行から6ヶ月以内、マイナンバー記載の無いもの)
    • 運転免許証(記載された住所が住民登録地と同じもの)
    • マイナンバーカード
      (※)通知カードは使用できません
      などのいずれかの書類

最重要事項:申請から1週間くらいで犯罪経歴証明書を発行してくれますが、自分の前科が気になって、証明書の入った封筒を開封してしまうと無効になりますので、くれぐれもご注意を。

④最終学歴の卒業証明書、又は「ある業務の専門家であること証明する職歴書」、これも赴任後、労働許可書(Work Permit)を申請する際に必要になる書類です。

院卒、又は大卒の方は、大学事務局から卒業証明書(英語版)を取得します。院卒、大卒ではない場合は、「ある業務の専門家であること証明する職歴書」を事前準備する必要があります。

(2)赴任後の申請手続き

①労働許可書の取得申請:基本的には、現地就業先の人事・総務部門が代理手続きしてくれることになりますが、申請にはベトナム国内指定病院での①健康診断書、前述の②犯罪経歴証明書(未開封必須)と院卒、又は大卒の③卒業証明書、または「ある業務の専門家」であることを証明する職歴書の3点が必要になります。通常の場合、2年間の労働許可書が発給されます。継続の場合、都度更新要。

②TEMPORARY RESIDENT CARD(いわゆる滞在VISAです。)の取得申請: 労働許可書を取得後、申請することになります。ベトナム入国の為に取得した3ヶ月、又6ヶ月有効のVISAを労働許可書と同期限に切り替えることになります。取得後、最大2年間のベトナム滞在と、入出国の制限がなくなります。

注意事項:TEMPORARY RESIDENT CARD取得後は、①ベトナムでの入出国の際(提示必須)、②日本を出国する際(提示必須)、又はベトナム以外の海外からベトナムへの入国目的で出国する際に提示が求められるケースがありますので、必ずパスポートと一緒に持参してください。

因みににベトナム国内での国内航空便の利用や、ホテル滞在にはパスポートは不要で、TEMPORARY RESIDENT CARDがあれば、個人IDと同等の役割を果たします。

<2> 健康診断の受診

日本の法令では、6か月を超える海外駐在の場合、赴任前後に健康診断を受けることが事業主に義務付けられています。もし健康診断の結果で治療や精密検査が必要になれば、再検査や海外赴任の中止もあり得ます。遅くとも1ヵ月前には受診しましょう。そしてベトナム入国後、労働許可書を申請する為、再度ベトナム国内の指定病院で、健康診断を受けることになります。

<3> 予防接種

ベトナムへの赴任で気をつけたいのは「破傷風」「A型肝炎」「B型肝炎」「日本脳炎」「狂犬病」の5つです。予防接種は義務ではありませんが、最低限これら5種の予防接種をすませておけばある程度安心して滞在することができます。予防接種の詳細は、こちらから(クリック)確認できます。

また、ベトナムでは「デング熱」が流行る時期がありますが、デング熱については予防接種や予防薬は存在しません。ときには「デング出血熱」という重症病態になることもありえます。長袖を着たり虫よけスプレーをするなど、虫に刺されないようにすることが最善の予防方法となります。

<4> クレジットカード

日本国内で事前に準備するVISA,又はMastercardは(準)必須です。

クレジットカード会社によって海外利用時の手数料等の違いがありますので、確認してみてください。為替差損やセキュリティ上の理由で、積極的には使用しないという考えもありですが、無いと困るケースが稀に起こります。

ベトナムで作るクレジットカード、デビットカード

ベトナムで銀行口座を開設することになると思いますが、発行されるATMカードが、デビットカード兼用タイプとなっている場合が多いです。但し、1回に使える金額の制限等があり、高額支払いには向いていませんので、注意してください。

クレジットカードの新規作成は、結構ハードルが高いです。というのも、収入を証明する為に過去3ヶ月、又は6ヶ月間の銀行口座への入金証明を提示する必要があります。赴任から、1年くらいしてからチャレンジしてみてください。お薦めは、海外大手銀行等のHSBCが安心です。ベトナム地場銀行発行のクレジットカードは、お薦めできません。万が一、不正利用されるような事故にあった場合、救済対応が滅茶苦茶悪いです。最悪、救済されないケースもあります。その点、日本のクレジットカードの対応は素晴らしいと思います。不正利用されたことがハッキリしている場合、必ず救済してくれますからね。

<5> 携帯電話

日本の携帯電話の契約内容の見直し

契約継続の場合、プランの見直しが必要だと思いますが、一時帰国の時にすぐに使えるというメリットがあります。

解約の場合、日本国内での費用は発生しませんが、一時帰国時にレンタル携帯等の準備が必要になるというデメリットが発生します。

現地携帯電話会社の契約、またはプリペイドの購入

月極契約かプリペイドタイプのどちらかを選択することになります。日本国内で使用していた機種がSIMフリーの場合、現地SIMを挿入することができます。

<6> 運転免許と国際運転免許

日本の自動車運転免許書について

赴任前に次回の更新予定日を確認しておきましょう。次回更新日が、1年以内の場合、且つその更新日前に一時帰国できない場合は、海外赴任を理由に出国前に更新しておきましょう。次回更新まで4年(通常の5年ではない)延長されます、失効すると面倒なので、確実に済ませましょう。

国際自動車運転免許書について

ベトナムでは日本で発行された国際運転免許証は、有効ではありません。

日本が加盟する道路交通に関する国際条約(ジュネーブ条約)とベトナムが加盟する(ウィーン条約)が異なるためです。

多くの方は、自分で車を運転することは稀なケースだと思います。ベトナムの交通事情を鑑みると運転することはお薦めできません。

但し、自分で車を運転する必要がある方は、赴任後、ベトナム交通局発行の運転免許を取得しなければなりません。

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